だます心 だまされる心
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人気ランキング : 48606位
定価 : ¥ 735
販売元 : 岩波書店
発売日 : 2005-06 |
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だまされる人 |
人間はだまされたい生き物なのだ。この本を読んでいると、そんな風に思えてくる。マジックにドキドキし推理小説にわくわくするという「よい」面だけではない。科学的な説明や詐欺師の甘言についとりこまれてしまう、という「わるい」面についても、人は自らすすんでだまされることを選んでいるのではないか。本書で描かれる多種多様な具体例をみるにつけ、つい、そう考えてしまう。
目の前の退屈な現実から逃れて、しばしの夢のような世界に主観的にでもひたれるなら、その後に「後悔」がやってこようと、それはいわば二の次である。うそいつわりを信じるという代価を払ってでも、現在と仮想の未来を耀かせてみたい。だまされることへの欲望は、人間存在の本能なのだ。
とはいえ、著者は「だまされない」ことの価値を固守しようと奮闘する。実際にだまされた人々の悲惨さに、数多く直面しているがゆえに。その対策法は、理論的にも、実際的にも、至極わかりやすく納得がゆく。自己の思い込みと欲望に自覚的になり、常に冷静で客観的にありなさい。自分の都合がいいように、現実が進行していくと思いなさんな。おおざっぱにいえば、そんな所だろう。新しさはない。おそらくは普遍的な生きる知恵である。が、何度もいわれないと、すぐに忘れてしまう知恵である。だから今日もまた、だまされる人たちが新聞やニュースでおのれの無残さをさらけだしている。
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“気楽に”勉強しましょう |
振り込め詐欺・フィッシングなどなど.
最近,だまされることによる被害が相次いでいる.
とくに,社会の状況に詳しくない人たちほど被害が深刻.
本書はそういう人たちに向けて,「だまし」というものを知ってもらうことを目的にもともと講座のテキストだったものをまとめたもの.
どういう「だまし」がこれまでに起きてきたかという事例の紹介がメイン.
ネズミ講や振り込め詐欺.心霊商法などの多くの事例を紹介して,警告を促している.
ものごとを客観的にとらえるものと主観的にとらえるものをきちんとわけること.
客観的に捉えるべきことを主観的にとらえてはならない.これが一番大切であると述べている.
多くの場合,これを誤らせるのは,「欲」であると.
個人的には,科学者達の章が印象に残った.
数年前マスコミを騒がした考古学の「神の手」事件や野口英雄の研究など.
多くの研究者達も多くの誤りを起こしているということ.
他人を欺こうとする「だまし」というよりは,研究成果を焦るあまりつくったウソがウソを呼んでいく.
人としての「欲」が,研究者としての倫理観を失わせていく.
肝に銘じておかなければ成らないことであるとつよく感じた.
手品・推理小説など,だましをエンターテイメントとして楽しむうちはいいが,欲が絡みお金が絡むとたちまち大きな悪へとなっていく.
誰もがだまされる側にもだます側にも成りうると言うことを肝に銘じておかなければならないということを再認識させられた.
全体としては,もう少し心理学的な部分にもスポットを当てているのかと期待して読み始めたので,少し不満が残るものの,多くの人に,“気楽に”読んでもらいたい本ですね.