命の番人―難病の弟を救うため最先端医療に挑んだ男
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人気ランキング : 70708位
定価 : ¥ 2,625
販売元 : 早川書房
発売日 : 2006-04 |
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最初は読みづらいですが・・・ |
翻訳が悪いのか、原文が読みづらいのか何回か読み返さなければ頭に文章が入ってこなかったりします。
内容は、ALSという筋肉が萎縮していって最後には窒息死する病気になってしまった弟を救おうと、兄やその他の家族が一緒になって周囲の助けを得ながら遺伝子治療を研究する財団を作ったりして治療を進めようとしていく内容です。
この本の著者も母親がレビー小異体(?)という病気にかかっており、取材を進めていく過程で遺伝子治療に母親を救う望みをかけたり、遺伝子治療に疑心暗鬼になったりしていきます。
ALS治療をめぐるひとつの家族や周囲の人間の物語だけではなく、著者自身の母親の病気のことにもふれつつ話が進んでいます。
これが、現在(少なくとも原著の書かれた時期)の科学では望み薄と言わざるを得ない各種病気の遺伝子治療にすべての希望をかけている人間の気持ちを少しは理解させてくれます。
といっても感情的な内容の本ではなく、自己の過去を見つめなおしている客観性を保った内容の本です。
ただ、冒頭にも書きましたが少し読みづらいです。
すらすらと読めるには、遺伝子治療や著者の文化圏のバックグラウンドに対する深い理解があればいいのではないかと思います。
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翻訳がひどい |
内容は各種書評でなされている通り、素晴らしいのだが、なにせ翻訳がひどい。
直訳調の日本語は、意味を理解するために2度3度と読み直すこともしばしば。
明らかに平易な日常語に訳せるはずの単語が、カタカナのまま…。
まるで大学生が宿題で訳したような文章だ。
専門用語が頻出する内容だけに、理系専門の翻訳家でないと難しいことは充分理解できるが、
学術論文でなくノンフィクションノベルとして読ませるだけの水準を満たしているとは思えない。
キャリアのある翻訳家のはずなのだが…。
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アクティビストの姿を冷静に綴る著者の視点がよい |
アメリカの難病闘病記ものは
当事者がエネルギッシュに病に立ち向かう姿が描かれるものが多く、
それはしばしば日本の同じ境遇にある人を萎縮させてしまう原因にもなる。
だが本書は違う。
自らも病を抱える母をもちながらも冷静で客観的な視点をもつ著者の才能なのだろう、
決して押し付けがましくもなく、かといって冷たくもなく、
ほどよい距離感で描かれているため、そういった読後感は与えない。
著者が本書で本当に書きたかったのは先端医療の実情などではないのだろう。
あの段階で幹細胞医療の実現をここまで信じていたのかと思うほど、
兄の情報収集力や周囲の専門家たちの言動にちょっと首を傾げる部分はあるが、
弟のほうがそこに頼り切ることもなく逆にそんな必死な兄の姿をやさしく見守っているのが胸を打つ。
いい本だった。